2010年03月10日

万引誤認逮捕、全国で相次ぐ 「目撃」偏重、裏付け怠る(産経新聞)

 東京都足立区のスーパーで昨年12月に発生した万引事件で、警視庁西新井署は40代の女性を誤認逮捕した。同署は逮捕後約1カ月間の捜査を経てようやく「誤認」を認めたが、目撃証言を過大評価するあまり、現場に真犯人が残していた自転車の捜査を尽くさないなどの初動捜査のミスが、背景にはあった。全国で相次ぐ万引の誤認逮捕。捜査の現場で何が起きているのか。

 ■残された自転車

 足立区の事件は同月20日午後7時20分ごろ、東武伊勢崎線西新井駅前のスーパーで起きた。女が手提げバッグにコードレスアイロンなど計15点(約3万円相当)を入れて店外に持ち出す姿を警備員が目撃。駐輪場の自転車に乗ろうとした女に警備員が声をかけると、女は自転車と、被害品が入ったバッグを残して逃走した。

 警視庁によると、西新井署員が警備員に事情を聴いたところ、以前スーパーを訪れたことがあり、顔を認識していた都内の40代の女性が犯人であると警備員が名指し。同署は店の防犯カメラの映像で警備員に確認を求めたが、「間違いない」と繰り返した。

 同署は目撃証言とあわせて、自転車の捜査にも着手。同23日、自転車を所有する足立区内の女(39)の家に電話をかけたが、対応した夫は「妻は『自転車を盗まれた』と言っている」と説明したという。同署は女本人から話を聞くなど十分な裏付けをしないまま、自転車の捜査を打ち切った。

 ■一貫して否認

 事件発生から約1カ月後の1月26日。同署は警備員の目撃証言、防犯カメラの映像などから女性が万引をした疑いが強いとして、窃盗容疑で逮捕した。

 だが女性は一貫して容疑を否認。同署は被害品が店に戻っていることなどから、女性を翌日に釈放して任意捜査に切り替えた。

 本当に女性が犯人なのか−。同署では自転車の捜査を再開。所有者の女について調べたところ、逮捕した女性と髪形、顔つき、体形が酷似していることが分かったという。

 同署で女から事情を聴いたところ、関与を認めたため、2月23日になって窃盗容疑で逮捕した。

 ■民間人頼み

 万引の誤認逮捕は相次いでいる。昨年2月に名古屋市内のスーパーで発生した万引事件では、愛知県警が容疑者と似た上着を着た男子高校生を窃盗容疑で誤認逮捕。また同年3月に東京都品川区内のコンビニエンスストアで発生した万引事件では、大崎署が万引をした少年と一緒にいた男子高校生を誤って逮捕している。

 「万引の現場では慣れや先入観で、犯人を見間違えてしまうことがある」。万引Gメンを派遣する会社の担当者はこう証言する。

 万引の大半は警備員や店主など「民間人」によって明るみにされるのが実情で、警察には、より慎重な裏付けが求められる。

 警視庁幹部は「再発防止に向けて指導監督を徹底する」としている。

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2010年03月08日

<自民党>国家公務員制度改革への対応苦慮 党内で意見対立(毎日新聞)

 自民党が国家公務員制度改革への対応に苦慮している。政府が今国会に提出した国家公務員法等改正案に反対すれば「改革に後ろ向き」と批判されかねないため、対案作りを目指す動きがあるものの、党内に与党時代以来の穏健派と急進派を抱え、意見集約が難航するのは必至。「路線対立が表面化するとかえってマイナス」と懸念する声も出ている。

 政府案は首相官邸主導で幹部職員人事を柔軟に行うのが目的。事務次官級、局長級、部長級を同格とみなすことで抜てきや格下げを容易にする。

 これに対し、中川秀直元幹事長や塩崎恭久元官房長官らを中心としたグループが4日、党本部で勉強会を開き、政府案には(1)人事院から新設の内閣人事局への機能移管が盛り込まれていない(2)給与法改正に踏み込まず「国家公務員の総人件費2割削減」の見通しがない−−などの問題点を確認。幹部以外への降格も可能にし、天下り規制違反に刑事罰を導入するなど、より急進的な内容の対案提出を目指すことで一致した。

 公務員制度改革を巡っては、麻生内閣が昨年の通常国会に法案を提出したが、審議未了で廃案になった。当時、中川氏らは法案の内容が不十分だとして独自案をまとめ、党内であつれきを生んだ経緯があり、今回も「中川氏の路線で党の了承を得るのは難しい」という声は根強い。とはいえ、政府は法案の年度内成立を目指しているため、自民党は行革推進本部を中心に党内論議を急ぐ方針だ。

 一方、中川氏らの主張は「霞が関改革」を掲げるみんなの党と近いことから、政界再編含みの動きとみる向きもある。だが、同党の渡辺喜美代表は5日の記者会見で「(中川氏らが)自民党の多数派なのかどうか。党議拘束のルールがある以上はなかなか期待できないので、まあ、お手並み拝見だ」と述べるにとどめた。【中田卓二】

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2010年03月03日

<1票の格差>2.30倍は違憲状態 東京高裁判決(毎日新聞)

 選挙区間の議員1人当たり有権者数を比較した「1票の格差」が最大で2.30倍となった09年8月30日投開票の衆院選小選挙区の合憲性が争われた訴訟の判決で、東京高裁(富越和厚<かずひろ>裁判長)は24日、違憲状態と判断した。選挙自体は有効として請求を棄却した。東京都と神奈川県の弁護士10人が、定数配分が法の下の平等を定めた憲法に違反するとして、各都県選管を相手に9選挙区の選挙無効を求めていた。

 選挙の効力を問う訴訟は、公職選挙法の規定で高裁が1審。政権交代が実現したこの選挙を巡っては、別のグループが起こした訴訟で、昨年12月に大阪高裁、1月に広島高裁が相次いで違憲判断を示している。いずれも1票の格差が2倍を超えた状態で行われたことを根拠としていた。

 今回の訴訟で原告側は、小選挙区の定数300のうち、まず1議席ずつを47都道府県に割り当て、残りを人口比で各都道府県に振り分ける「1人別枠方式」による現行の定数配分が、人口分布に比例しない状況を生み出していると主張。純粋に人口比で定数配分した場合に比べ、現行では47都道府県中29都道府県で過不足が生じていると訴えた。【伊藤一郎】

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